クラリーノ®はランドセルに使われている素材の名称です。
ランドセルを見ていると「クラリーノ®〇〇」を見聞きすることと思いますが、ランドセルの名前?何かの型式かな?よく分からないけどランドセル全般を意味するの?と思っていたのは私だけではないと信じたいです。
クラリーノとは?
クラリーノ®は株式会社クラレが開発した世界初の人工皮革(じんこうひかく)で、天然皮革の構造と性能を化学の力で人工的に再現されています。
優美な外観、軽くてしなやか、水に強い、手入れが簡単などの特長により、実はランドセルに限らず、靴、手袋、衣料、インテリアなど、日常の幅広い分野で活用されているのです。
例えばクラリーノ製のバスケットボールなど、実は日常に溢れています。
クラリーノの特徴
価格が安い
クラリーノ®素材のランドセルは最安値2万円台から、実勢価格の平均は4万円~6万円程度で購入できてしまいます。
これは天然皮革ランドセルと比較した場合の大きな魅力です。
もちろんデザイン性が高かったり、有名ブランドとのコラボモデル、デザイナーズブランドになると100,000円を超える高額クラリーノ®ランドセルも登場します。
アパレル系ブランド、コラボレーション、ダブルネーム、タイアップモデル一覧最安値で探しても、牛革だと5万円台~、コードバンだと10万円台~になりますので、クラリーノ®素材のランドセルの価格メリットは断トツずば抜けていますね。
鮮やかな色彩を表現できる
天然皮革では難しい鮮やかな原色やパールカラー、メタリックカラーをとってもキレイな発色で再現させることができます。
同じ色でも濃淡など色味の違いにより、色彩の可能性は無限大ではないでしょうか。
見た目以上の丈夫さ
6年間のヘビーユースにしっかりと応えてくれます。
時にはやんちゃ盛りの男の子たちのボール替わり、おもちゃ替わりにされてしまいます。けれどもそんな過酷な条件下でも、ちょっとやそっとのことではへこたれない強靭な素材なんです。
とにかく軽い
『ランドセル=重い』は昔のお話、今の子供たちがうらやましいですね。
素材自体がとっても軽く、クラリーノ製のランドセルの重量は約1,200g前後が主流です。牛乳1パックより少し重い程度、2Lペットボトル飲料よりはるかに軽量ですね!きっと初めて手にした時は衝撃を受けるのではないでしょうか。
優れた耐水性
クラリーノ®素材のランドセル表面はウレタン樹脂(ポリウレタン)コーティングが施されていますので、とにかく水に強いです。天然皮革の場合、豪雨に打たれると「雨染み、型崩れ、重くなる」可能性がゼロではありません。その点クラリーノ®なら軽く拭きとってあげるだけで元の状態に戻ります。
ちなみに、ウレタン樹脂は自動車や船舶のコーティング剤としても用いられるほどの成分なので、その耐水性は半端でないことも想像に難くないですね。
クラリーノの種類
専門的なお話になるので、なんとな~くこんな感じの種類があるんだね程度に参考にしてみて下さい。
基本のクラリーノ®
すべてのタイプの基本素材で一番軽量。この基本素材に表面処理やコーティング加工を施すことで、多様な性質をもったクラリーノ®に変身します。
クラリーノ®エフ®シリーズ
基本クラリーノ 牛革の風合い
クラリーノに牛革の雰囲気をプラスしたタイプで、現在販売されているクラリーノランドセルの主流素材でもあります。
さらに、光沢の有無、シワ感、ツヤ感、シボ感などそれぞれの特徴のことなるクラリーノ®エフ®に分岐していきます。
例えば、クラリーノ®エフ®レインガードは、基本クラリーノ、牛革の風合いに『強耐水性』を加えた素材になります。クラリーノ®自体が耐水性も強いですが、牛革の雰囲気とより強度の耐水性を持ち合わせた素材になってきます。
クラリーノ®レミニカ®
基本クラリーノ 牛革の風合い 光沢感 耐久性
主に女の子向けランドセルに多用されている。
クラリーノ®タフロック®
基本クラリーノ 最強の耐久性
主に男の子向けランドセルに多用されている。
クラリーノ®リピュート®
基本クラリーノ 牛革の風合い メタリックの高級感
クラリーノ®ロベニカ®
基本クラリーノ 通気性 抗菌 耐久性
ランドセルの背あてとして活躍
クラリーノと天然皮革の比較
クラリーノ®素材のランドセルと天然皮革(牛革、コートバン)ランドセルを比較した場合の違いは主に次のとおりです。
耐久性が劣る
6年間ランドセルとして使用する分には全く問題ない強度はありますが、牛革、コートバンと比較すると耐久性は劣ります。
そうはいっても、天然皮革以上に傷や雨染みには強いので、6年間使用しても入学当時と変わらない見た目を当たり前のように維持します。
天然皮革のような使いこんだ雰囲気はできません。
別の問題として一部外国製などの『激安・激軽量』ランドセルの場合は、クラリーノ®自体の強度の問題ではなく、中の骨組みや芯材の強度不足が原因でつぶれや変形を生じさせる問題はあります。
質感が劣る
天然皮革独特の美しい光沢や質感はありませんし、天然皮革のように使い込む程に独特の味が出て体にフィットしてくることもありませんが、これがデメリットかどうなのかは分かりません。
逆にクラリーノ®ランドセルは天然皮革のような、背負いクセによるシワや風合いが現れない代わりに、長期間新品と変わらないツルツル、ピカピカを保ちます。
重量の違い
人工皮革の『軽量』による優位性は一昔ほどにはありません。
これは人工皮革が重たくなっているのではなく、天然皮革の技術進歩で「人工皮革の軽量さにより近づいけた」ことが原因です。
一部例外は除き、教科書1冊分程度の差しかありません。
まとめ
クラリーノ®素材のランドセルは、天然皮革ランドセルの代用品や安価版なんかではありません。
天然皮革とは異なる特徴を持つ『クラリーノ®素材のランドセル』という一つのカテゴリと考えましょう。
- 天然皮革ランドセルと比較して安価である
- カラーバリエーションが多彩で天然皮革では足元にも及ばない
- 天然皮革のように使い込んだ味わい深い雰囲気はできない
- 長期間使いこんでも新品に近い状態を維持できる
- 素材自体の耐久性は問題ないが、激安品など芯材が貧弱な物には要注意